大きなチャンスととらえて大胆にチャレンジする
「チャレンジフィールド北海道」は、経済産業省「産学融合拠点創出事業」として2020年にスタートしました。事業の趣旨とする“大学を起点とするオープンイノベーションの深化と拡大”と“未来社会へと繋がる共通価値の創造”の実現に向けて、オール北海道の体制で取り組んでいきます。
北海道は、豊かな天然資源、魅力的な観光資源、強い一次産業などを有することで知られていますが、実は“知の集積地”でもあります。一つの自治体にこれだけ多くの国公立大学を有する自治体は他に類を見ません。課題先進地という事実はありながらも、これらの恵まれた潜在力の存在により、本事業は北海道が躍進するための大きなチャンスととらえることができます。こうした潜在力をベースに、産と学が深く融合し、広くステークホルダーを巻き込み、新しい北海道を創生する一翼を担う覚悟でいます。
私自身は総括として二つの思いを持って本事業に関わります。一つ目は、“将来世代のために希望にあふれる地域社会を共創する”ことです。北海道の潜在力を開花させ、豊かさを実感できる社会を次代に渡すことはわれわれ現役世代の責任です。二つ目は、“人と組織と地域が本事業に自分ごととして関わり成長する”ことです。好循環するエコシステムを構築し、“知の拠点”である大学が社会の中でも輝くことに資する活動としたいと考えます。
これらの取り組みは、事業・産業創生を中心に据え、人材育成、地域づくりまでもスコープに入れた大胆なチャレンジです。先行して精力的に取り組まれている道内外の多くの組織や活動と連携させていただき、大きな成果に繋げていきたいと思います。
総括エリアコーディネーター
山田 真治
「チャレンジフィールド北海道」発進!!!
現在、8つの大学・国研が力を結集して技術シーズを持ち寄り、そして市場のニーズをとらえ、プロジェクトが始まっています。ここには先の未来を見据え何をこの北海道に残し活用していくのか、技術シーズと市場ニーズのインタラクティブな統合が試されています。我が国の技術力、製造力はかつて大きく発展しましたが、社会や地域のデザイン力についてはまだまだ発展途上であると言えます。価値観の変化、新たな生活スタイル、不確実性が増すこの世界でオープンなディスカッションの必要性が高まり、未来を創造し牽引するイノベーションが期待されています。そうした状況からも本事業を通じて、大学・国研はさらに多くの企業とコミュニケーションを活発化させ、その蓄積した知見や技術の社会実装を加速させていかなければなりません。
私は、この社会実装に向けた新規事業、プロジェクトの創出を促進していきたいと思います。示されているマテリアリティはまさしくこれからの子供たちに、長くそして直接関係します。また大学は様々な研究の場であるとともに、その知見を共有、還元できる教育の場でもあります。そのため本事業によって生み出される取り組みが、多くの若い世代に自分ごととして受け入れられていくことも大変重要であると考えています。
最後になりますが、チャレンジフィールド北海道では、大学間のみならず産業界、自治体、そして世代間の橋渡しも担っていきたいと思います。もちろん、素晴らしい出会いに期待を寄せて。
副総括エリアコーディネーター
北川泰治郎